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【KH】境界線【王国心】

第27章 ??? 前編









扉をあけて進めばそこは闇の世界だった…






もどってきたのか?そう辺りを見渡すと遠くに巨大な黒い城があることに私は気づいて走っていった




大きな門は頑丈で私の力では開けることもできずあきらめた



他の道を探そう、そう私は扉に背を向けると同時に重く錆びて軋んだ音が響き…目の前の門が開かれたのだった







『誰かいる?…とりあえず先へ進みましょう』







門を通ると案の定後ろの扉は閉まるが私は玄関ホールへと歩みを進めていった








「遅かったな、主」




『……え』







目の前に私と似た身長の男の子が両手を組み壁に背をつけて待っていた



しかし私が驚いたのは彼の出現だけではない…









『り、リク?』









リクの顔をした少年が目の前に立っていたのだ


少年は「誰だ?そいつは」なんて鼻で笑っていたが、声も人を馬鹿にした笑いも同じ


ただ違うところもあった…瞳の色と髪の色、そして服装はアンセムに体を乗っ取られていた時の禍々しいパワースーツだったこと






リクは新緑の瞳だが、彼は私と同じ満月のような黄金の瞳…



リクは綺麗な灰色の髪色だが、彼は私と同じ黒い闇のような髪色だった





じーっと彼をみていると彼は「どうした?」と怪訝な顔でこちらを見つめ返していたが何か思い立ったのか「ああ」と呟き、私の頬に触れた





「もしかして疲れてんのか?」




『…え?いや』




「無理はするなよ


このあとは俺が約束していた"流星群"をみにいく予定があるんだから今のうちに休んでおけばいい」



『流星群?』



「ま、さ、か…忘れた訳じゃないよな?」




『えーっと…』






渋って目をキョロキョロさせている私に少年はため息をついて、私の額に軽く拳を当てた






『…いたっ』



「忘れた罰だ



…そっちの仕事が終わったら俺を呼んでくれ



海岸に行って流星群をみるぞ」








そう彼はしたり顔で私に背を向けて何処かに去ってしまった

















…なんだろう、このもやもやとした感情は…







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