第2章 お兄ちゃん。
…へ?
私は頭がついてこなくて、目をパチクリさせた。
ちょっと気まずそうに、頬をポリポリと掻きながら兄は口を開いた。
「昨日の夜ゆうちゃんが、休みだから昼まで寝たいって言ってたでしょ?だから昼まで待ってたんだけど…」
昼になっても私が何も言ってこないから、出かけているのかと思ったそうだ。
いやいや、ドアの音もせずに外に出るって無理でしょう…。
でも、そうか。待ってくれていたんだ。
「…ごめんね。私が悪いのに怒って」
「ううん!僕が騒いでるのが悪いよ!ゆうちゃんの睡眠の邪魔してごめんね!」
「…ひるは?」
「ん?」
「お昼ご飯!もう食べたの?」
ずっと歌ってたから食べてないよぉ〜。と、頭からお花を飛ばして答える兄。
まったく。そんなんじゃいつか倒れちゃうんだからね!
「じゃあご飯にしよう!お詫びに私が作る!」
「えっ!ホントに?!ゆうちゃんのご飯美味しいからなぁ。よーし、キッチン行こ!」
兄は私の背中をグイグイと押しながら部屋を出て、階段を降りた。
何作ろう。