第2章 お兄ちゃん。
「はいっ!」
「わぁ~。相変わらずおいしそう…じゃなくて、おいしいね!!」
「いや、まだ食べてないじゃん」
食べなくてもわかるよ。とニッコリした後に、特製オムライスを一口。
「ごふっ!」
き、気のせい?いまお兄ちゃん…ふきだした??
口元を抑え、ぷるぷると小刻みに震えるお兄ちゃん。
心配になり、私も一口。
!?!?
「な、ナニコレ…」
恐ろしくまずい。
なんでこんな味が作り出せるのかがわからないくらいまずい…。
「い、、いやぁ~!おいしすぎて、び、びっくりしちゃったなぁ!」
若干青い顔をしながら、冷や汗をかき、私に笑顔を向ける。
が、私が既に食べているのを見たからか、シュンと、おとなしくなった。
これは作り直し…。
砂糖と塩間違えるなんて今まで一度も…いや、片手で数えられる程度だったのに。
はぁ…。なんでこういう時に限って。
捨てるしかないか。とお皿を持って立とうとしたとき、ガツガツと(悪い意味で)特製オムライスを掻き込む人物が目に留まった。
「ちょっ…!お兄ちゃん!?」
「おいしいおいしい!!ゆうちゃんが作ってくれたものなら!ほんと、おいしいよ!!」
自分の分をぺろりと平らげた後、食べないならもらうと言わんばかりに私のもつお皿に手を伸ばしてきた。
本当に、バカなんじゃないかなこの兄は…。
正直、少し泣きそうだった私はとても助かったし、感謝した。
「体に悪いからダメ」
「えぇ!?」
オムライスは作り直し。