第2章 中編
強引に推し進められた楔に何度も体内を抉られる。
「っふ…あぁ!…んっ…は…」
一切の手加減もなく激しく揺さぶられる身体。
アーデンに縋ることができなかった手が、シーツの上を彷徨う。
触れられる皮膚だけでなく、身体の中も酷く冷たい。
その冷たさと半比例するようにユーリの身体が次第に熱を灯し始めた。
「あっ…な…んで…」
身体の変化についていけず、彼女の涙は止まらなかった。
「ん?どうしたの?」
ユーリの変化に気づいているはずなのに嘲笑うように、問いかけてくる彼。
全ての元凶は彼のはずなのに、まるでこちらが責められるように感じた。
胎内を這うように抜き差しを繰り返されるうちに、一瞬だけ脳内が弾ける感覚に襲われる。
そんな彼女の様子に特に関心を持たず、彼はただ自分の好きなように動く。
いや、違う。
ユーリはシーツを掴んでいた手で、アーデンの身体にそっと触れた。
痛みを感じたのは最初だけで、今感じるのはそれとはまったく別の感覚だった。
性行為経験のないユーリが、いきなり快感を感じるのは難しい。
愛撫も何もされていないなら尚更だ。
だけど、彼女の身体は傷一つついていなかった。
それは彼の気まぐれか、クリスタルの力か。
「あっ…アーデン…っ!」
揺さぶられながらユーリは思わずアーデンに抱きついた。
一瞬驚いたような仕草を見せた彼だが、そのまま何も無かったように動きを再開させる。
ふと、胎内が淡く光った感覚に襲われる。
ぼやけていく視界の中で見たものは、彼の周囲を漂っている黒い粒子を取り込んでいく、私の身体。
あぁ…そういうことですね。
クリスタルに意思は存在しない。
だけどユーリは、これから己がすべき行動を理解してしてしまった。
いや、悟ったというほうが正しいだろうか。
全ては、世界と…アーデンの幸せの為に…。