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闇夜の雫【FF15】

第2章 中編



まさかあのアーテンより年を取っていたとは。

ちょっとというか、かなりショックだ。

ショックを受ける内容が違うかもしれないが、最早混乱を極めている頭では何も考えられなかった。


「……はぁ、色々と突拍子のない話ですが、この際なんでもいいです。取り合えず、このクリスタルの存在が厄介なら何とかしてください」

ユーリは壁に背を預けると天井を仰いだ。

なんかもう、色々ごちゃごちゃしてきて面倒になって来た。

だからさっさと終わらせられるなら終わりたかった。

私も使命が終われば、アーデンのように本当の眠りにつけるのだろうか。

まさか眠りと目覚めを繰り返していたとは思わなかった。

恐らく記憶の操作はこの神がやっているのだろう。

私の記憶が途中からしかないと思ったら、こういうことだったのか。

ユーリは深いため息を吐くと、どこか遠い目をしながら物思いに耽っていた。












その後、神は消え去りユーリ1人となった。

結局何も解決しないままだ。何だか放り出された感が否めないが、クリスタル対策が直ぐに思いつかないなら仕方ない。

ユーリは鎖に繋がれた己の両手を見た。

アーデンもまた鎖に繋がれ幽閉されていた。
神の島と呼ばれるあの場所に幽閉したのは、せめてもの償いの為か。

そもそも、アーデンは本当に真の王に選ばれていたのか?

ユーリはアルテマから教えられた情報を頭の中で整理していった。

アーデンがイフリートを闇に取り込んだ時に、イフリートの記憶から真の王がアーデンだと知った。

だけど、それなら何故クリスタルは彼を拒んだ?
そして何故、闇を取り込む力を与えた?
全ては、神々が作った雑な物語にしか見えなかった。

疑問と矛盾だらけのこの物語。

果たして真相はどれなのか。

「……もしかして真の王は、ある意味アーデンなのか?」

王というよりは神に近い。

永遠の命と、この世の知識を無限に得られる力は、神と同等と思ってもいいかもしれない。

「……アーデンのような存在は、神々にとって恐れの対象かもしれないですね」

神々が持つ知恵を超えた時、彼は神を超える存在になるのだろう。

果たして神の目的は、真の黒幕は誰なのか。

ユーリはため息をつくと、答えの見えない問題を、ただひたすら考えていた。
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