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闇夜の雫【FF15】

第2章 中編



神の話を要約すると、ユーリが世界の闇を全て払い、再生して欲しいとのことだった。

二度と、悲しい犠牲者がでないように。

「サラッと言ってますけど、神が出来なかったことが、私にできるとでも?」

ーーーしかし、クリスタルの存在が厄介だ。このままではお主に与えた力が発揮できない可能性がある

「あれ、無視ですか?」

ーーーその前に、あの男に殺さる可能性が高いな。早急に対策を考えるとしよう

「……いっその事、私が王になってアーデンを討ったら……いやそんな怖い発想は止めておこう。絶対返り討ちにあう」

ーーールシス王家の血を引くもの以外が王になっても意味がない。そもそもお主はクリスタルに選ばれたわけではない

「そこは反応するんですね。冗談ですよ」

アーデンを殺すことなど、例え彼が望んでいたとしてもできない。
何千年に渡って苦しんできた彼の最後が、本当にこれでいいのか私には分からなかった。

「どうせ救うなら、アーデンを救ってあげますよ。星はそのついでです」

アーデンにとっての救いが何なのかは分からないが、このままでは駄目な気がした。

与えられた力とは、恐らくあの歌なのだろう。

滅亡も希望も与えられるその力は、もともとアルテマが持っていた力のようだ。

ーーーお主は、古代戦争で我々に仕えていた二十四使の最後の生き残りだ。何としてでも、この世界を変えてもらう必要がある

「え?よく分からないのですが」

古代戦争って遥か昔の出来事だ。その生き残りということは、先祖代々ってことか?


ーーー私が眠りにつくとき、仕えていた二十四使に全ての力を渡した。彼らの時は止まり長い間生き続けていたが、その存在に気が付いた神々に殺され、私が目覚めた時には、お主1人しか残っていなかった

「…う、うん?」

ーーーその後はお主を守りながら機会を伺っていた。しかし2000年前、神々の邪魔が入り計画が実行されてしまった

まだ幼いユーリがアーデンに力を与えた行動がそうなのだろう。

神と対話できる彼女は、アルテマ以外の声も当然ながら聞こえる。

「…まさかとは思いますが、私は古代戦争の時から生きているんですか?」

ーーーそうだ。何度も眠りと目覚めを繰り返して、今のお主が存在している


神から教えられた事実に、ユーリは頭を抱え込んでいた。





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