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闇夜の雫【FF15】

第2章 中編



いや、それはやりすぎなんじゃないか?

逆ギレした勢いで制圧とか…あ、もしかして他に何か理由でもあるのか?

今回の戦争の原因はユーリだと思っていたが、特に彼女を助けにきた様子はないし、寧ろ殺す気満々のようだし。

ならば、彼らの目的はまだ他にある可能性が高かった。


「…はぁ、本当に知らないんだ」

両者の間で長い沈黙が続くと、何やら盛大なため息と共にユーリは解放され軽く咳き込んだ。

目線だけ彼に向けると、まるで汚らわしい何かを見るかのような目つきだ。

いや、確かに私の姿はボロボロだが、そんな風に見なくても。








………ん?なんでこんなにボロボロなんだ?









「10年間、何してたの?それと、君の中でクリスタルの気配を感じるんだけど」


ユーリがまじまじと己の姿を見ていると、信じられない言葉が聞こえてきた。


10年間?クリスタル?


ユーリは唖然とした表情で彼を見る。

アーデンは不死身なので10年経っても姿は変わらないが、嘘を言っているようにも見えない。

そしてクリスタルが私の中にって、なんで?












「まぁいいや面倒くさい。話は後で聞くよ」

未だにユーリからの回答がないことが気に入らないのか、アーデンは魔導兵を呼んでユーリを捕らえた。

ユーリに近づこうともしない彼。


あぁ、なるほど。もし本当に私の中にクリスタルがあるのなら、彼は近づけないのか。

脳裏に浮かんだのは、夢での出来事。
少女の目を通して見た景色と、アーデンの目を通して見た景色が入り混じる。

それはまぁ、嫌われるでしょうね。

果たしてあの少女は私なのか、他人なのか。


アーデンが去った後、やや乱雑に捉えられたが、ユーリは気にすることなくぼんやりと物思いに耽っていた。




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