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闇夜の雫【FF15】

第2章 中編




意識を失ったアーデンは、ある夢を見た。


闇の中を漂っている彼の目の前に現れたのは、聖天使アルテマと名乗る神。


どうやらユーリの願いを聞き入れて、アーデンから闇を切り離すようだった。













「……いいよ、このままで」

アーデンは周りを漂っている光の粒子を手で払いのけると、力なくそう呟いた。


「どうせ、オレが犠牲にならなかったら次の誰かが犠牲になるんでしょ?」

アーデンの問いかけに、神は答えなかった。


「…っは、だったらオレは闇の王らしく、ルシスに復讐してやるよ」

他の誰かが犠牲になることなど知ったことではないが、ユーリのいない世界を生きようとは思わなかった。

だけど、ユーリが救おうとしたこの命を無駄にするわけにはいかない。

だから本当は反吐が出そうになるが、この星の犠牲になることにしたのだ。


ーーーそれを、彼女が望んでいるとでも?

アーデンの言葉を黙って聞いていたアルテマだったが、漸く口を開く。

「…望んでないかもね」

彼女の考えなんて、通常でもよく分からないのに、アーデンに生きて何を望んでいるかなど到底理解できるはずがない。


そもそも、オレの知っている六神の中にアルテマなんて神はいない。

目の前にいるこいつこそが、悪の根源ではないのだろうか。






ーーー私の肉体はすでに消滅し、今や残っているのは精神のみである


アーデンからの疑わしい視線を感じたのか、アルテマは口を開いた。













ーーー私もまた、この星の仕組みを憐れに思い、変えようとした者の1人だ。





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