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闇夜の雫【FF15】

第2章 中編




ユーリが幼い頃アーデンを治療した時、なぜかその力が彼にも宿った。

そして、この星を蝕む寄生虫を彼は取り込み続けた。

全ては神の思惑通りとも知らずに。














ーーーー何処へ行く


ユーリがアーデンの後を追っていると、随分と聞いてなかった声が脳内に響いてきた。


「責任を、果たしにいくだけです」

ユーリは激しい頭痛に襲われたが、その足を止めることはなかった。

知らなかったとはいえ、黙って見過ごすことはできない。

ユーリがあの日力を与えなかったら、彼は今頃こんな風に苦しんでいなかったはずだ。


ーーーー貴様ごときに何ができる。あの者はこの星の為に選ばれた。その者を救うことが何を意味しているのか、分からんでもあるまい。

神…剣神バハムートがユーリの目の前に現れた。


初めてその姿を見たユーリは足を止める。

巨体な存在を目の前にしても、彼女は臆することなくその姿を見上げた。

「そうですね。でも、知ってしまった以上、見殺しにはできません」

そう遠くない未来、アーデンはこの星の、闇の王となる。

そして闇の王を倒すべくして、いずれ光の王が生み出される。

そうやってこの星の闇を排除し、歴史を繰り返している。

なんとも馬鹿げたストーリーである。

ユーリは嘲笑うかのように口元を歪めると、そのまま足を進めた。
  









ーーーなんとも愚かな。


だが、バハムートを横切ろうとしたとき、激しい衝撃波に襲われた。

ユーリの身体は吹き飛び、木に打ち付けられる。










ーーー聖天使アルテマの血を受け継ぐ者よ、その存在を黙って見過ごすわけにはいかない。

ユーリが軽く咳き込んでいる時、不意に聞こえてきた言葉。

意味が分からないと視線を向けると、彼は剣をこちらに向けていた。



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