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闇夜の雫【FF15】

第1章 前編



そろそろ終戦になるとのことだったので、オレは先に部屋に戻ることにした。

元々オレの担当は軍事関係ではないし。

そして先程聞こえてきた爆発音。
誰かが、オレの部屋が被害にあった可能性があると言っていた。

だから確認も含めて戻ってみると、被害にはあっていたが予想外の人物がそこにはいた。

彼女は確か、名前は忘れたが一般兵だったはず。
女で兵士など珍しいので何となくその姿には覚えがあった。

そして彼女の足元に落ちている箱。

こいつがソレが何なのか知って、見たのかは分からないが、先手を打たせてもらうことにした。

悪いが回答によっては、この場で死んでもらうしかない。
オレが長年かけてやっている計画を、今ここで邪魔されても困るからだ。









だが、返ってきた答えは、オレの想像を超えたものだった。


「……くっ、ははっ」


久しぶりに気分が高揚する感じがした。こんな感覚、何百年振りだろうか。

新しい玩具を見つけたかもしれない。そう思ったのだ。


「人の恋路を笑わないで欲しいのですが」

「あぁ、ごめん。君、名前は?」

「え、……ユーリと言いますが」

「そう。じゃぁユーリ、君はどうしたい?」

「…え」

まさか選択肢を委ねられると思ってなかったユーリは、言葉に詰まった。
この血塗れでされた胡散臭すぎる告白を、彼は間に受けるのか?
いや、彼ほどの知能があればその可能性は低いのだろう。

と言うことは、腹の探り合い、駆け引きが始まったのか。
もともとそうするつもりだったが、出来れば振られた後で話を進めたかった。


その方が色々と都合が良かったからだ。


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