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闇夜の雫【FF15】

第2章 中編



ユーリがイオスの歴史を勉強し始めて、1カ月が経った。

偶に帝都から出て情報収集するときもあるが、何故かアーデンが付いてくる。

本人曰く護衛とのことだが、それは本来兵士である私の役目ではないのだろうか。

取り合えず目的の邪魔をする気配はないので黙っているが、着いてくるくらいなら素直に教えてくれればいいものを。

彼なら、私が何を調べてるのか直に検討が付くはずだ。








「…はぁ、やはりどれだけ読んでも分からないな」

ユーリは分厚い歴史書を閉じると、ため息を吐いた。
そう簡単に行くとは思っていないが、ここまで何も情報が掴めないと、意図的に消された可能性がある。

「……ルシス…か」

冗談か本気か分からないが、アーデンが滅ぶのを願っている国。
まだルシスだけ行ってないが、そもそも今の帝都とルシスの情勢はあまりよろしくない。

ダメもとでアーデンに頼んでみたが、案の定却下された。

分かってはいたものの、完全に打つ手を失ったユーリは、どうしたものかと頭を悩ませた。

脳裏に過るのは神話での出来事。

神々と深い繋がりがあるルシスであるから、アーデンに関する情報があるとすればもうここしかないと思っていた。

「さて、どうしたものか」

黙って忍び込んでもいいのだが、あのアーデンにバレずに数日間不在にすることなどできるのだろうか。

一歩間違えれば国際問題に発達するようなことをユーリは考えていたが、彼女は本気だった。

もうここまで来たら後には引けない。

何が何でもアーデンの過去を調べる気でいたのだ。
















ーーーー♪




窓から差し込む夕日をぼんやりと眺めていると、不意に歌が聞こえた気がした。




ーーーこれ…は………から…


不審に思って辺りを見渡すと、突然激しい頭痛に襲われる。


神凪…六神…寄生虫…クリスタル………ルシスの王子


脳内では処理しきれない情報が一気に流れ込んできて、ユーリは思わず頭を抱え込んだ。






ーーーーいい?この歌は先祖代々伝わる歌で…




なんなんだ、これは……




ーーーー彼を救えるのは、神凪の血を引くあなたしかいないの


知らない声と歌が脳内に鳴り響く。








気が付けばユーリは意識を失っていた。


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