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闇夜の雫【FF15】

第2章 中編



最近のユーリはよく図書館に籠っていた。

仕事はしっかりこなしているので、特に文句を言うことなく自由にさせている。

一度だけ、彼女が何の本を読んでるのか見に行った。

気づかれないように背後から覗いてみると、机の上に大量に置かれた歴史書が目に入る。
アーデンは彼女が何をしようとしているのか瞬時に悟った。

オレの過去を調べてるんだろうけど、そんなもの何処にも書いてるわけがない。

それを教えるつもりはないが、ユーリの不可解な行動にアーデンは怪訝な表情をする。

恐らく先日の話を聞いて同情でもしたのだろう。

あまりいい気はしなかったが、彼女がどんな行動を取るのか気になったので、好きにさせることにした。

そして次第に帝都の図書だけでは足りないと思ったのか、各地の図書館を周りたいと言い出した。

流石に外に1人で行かせるのは気が引けたので、オレの同行付きで許可を出せば、遠慮なく嫌な顔をされた。

相変わらず期待通りの反応で、何時まで経っても飽きない。

彼女の外出についていけば息抜きにもなるし、何よりユーリと一緒に過ごすのが面白かった。

まさか自分が他人に対してそう思う日が来るとは、あの頃は考えもしなかっただろう。

しかし、何時までも穏やかな時間が流れるわけでもない。

オレには必ず果たさなければならない、復讐があるのだから。



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