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闇夜の雫【FF15】

第1章 前編



「アーデン宰相は人気がありますから、ぼんやりしていると取られますよ?」

「…はぁ…まぁ…」

彼女はアーデンの恋人だということを濁していたが、アーデンから渡された金額と注文内容を見て、普通の関係ではないのは直ぐに分かった。

例え接待だとしても、帝国No2の彼がするのは不自然だ。
だとすれば、答えなど限られてくるだろう。

「そろそろ終わる?」

二人の間で暫し沈黙が流れていると、不意にアーデンが現れた。

「…っ、お待たせして申し訳ありません。ちょうど今終わったところです」

定員は正気に戻ると、彼女の座っていた椅子を回し手を取った。

促されるまま立たされアーデンの元に連れていかれるユーリ。

「…へぇ」

ユーリに無遠慮に注がれる視線。

何なんだと負けじと睨み返しても、彼は笑みを浮かべているだけだった。

慣れない服や髪型、化粧を施されて落ち着かない。

こんな格好、自分に相応しくないと分かっていたので、どうせ嫌味の1つでも降ってくると思っていた。




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