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闇夜の雫【FF15】

第1章 前編



「もしかして、今更怖くなったの?」

「いえ、あなたが不死者で無敵だという事を忘れていただけです」

ユーリは再びココアに口付けた。


「忘れるほど、オレの存在って薄いのかぁ。悲しいなー」

「それはないので安心してください。濃ゆすぎて、脳内が感知するのを拒否ってるだけなので」

「…ねぇ、もしかしてユーリってオレのこと嫌い?」

「好きか嫌いかと聞かれれば好きです」

「あれ、意外にも好印象なの?」

「究極の2択なので、ギリギリそっちに偏ってるだけです。こう見えて、何気にあなたとの会話が楽しいと思えることもあるので」

「そりゃ、あれだけ貶せば楽しいだろうね」

アーデンは何が可笑しいのか、声を殺して笑っていた。
貶されて嬉しいのか?だとしたら相当なドMなのか?

「自分で言うのもなんですが、私の辛辣な言葉に怒りどころか笑いがでるなんて、もしかしなくてもMなんですか?」

「さぁ、それは時期に分かるんじゃない?」

「…あっ、何か分かったからもういいです」

ユーリのその言葉に、再び笑う彼。

そもそもあんな研究してる奴がMとか絶対ありえないだろ。
寧ろSを通り越してただの狂人だ、その方が似合っている。

ユーリはそんなことを考えながら、残りのココアに口付けていた。




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