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闇夜の雫【FF15】

第1章 前編



ーーーユーリならさ、オレを受け入れてくれると思って

気が付けば、そう口走っていた。

どうやら思っていた以上に彼女のことを気に入ったようだ。
あそこまで踏み込んで話したことなど、今まで一度もなかった。
と言っても、どれも証拠がなければ信憑性にかけるものだし、ただの一般兵が騒いだところで何も変わらないだろう。
まぁ何となく彼女は、黙ってそうな気がしたが。

別に信用してるわけではない。
誰かを信用するなど、遥か昔にやめた。


しかし自らリスクを背負うことは珍しい。
彼女はオレの秘密を知っても尚、生かされている。
それが吉と出るか、凶とでるか。

とりあえず彼女には、オレを楽しませてもらわないと。

永遠を生きる中で、少しでもオレを楽しませてくれれば、それでいい。



あぁ、そういえばシガイ化させるのを忘れていたな。

まぁ今更どうでもいいか。彼女なら、シガイ化させたところで何も変わらないだろうし。

本当に、面白い。

アーデンは自室に戻ると、備え付けられているソファーに腰を下ろした。

時間帯にして、もう深夜だ。

ただ、眠りを必要としない彼にとってはそんなことはどうでもいい。
夜が明けるまでの長い間を、ただ生きていく。

だけどそれが、今日から少しだけ変わった。

脳裏に浮かぶのは、ユーリとのやり取り。

暫くは退屈しないで済みそうだ。

アーデンは口元に笑みを浮かべると、ゆっくりと瞳を閉じた。










ーーー本当は、忘れてたなんて嘘だ。

なんとなく、ユーリにはあのままでいて欲しかった。
オレの様に穢れることなく、あのままの姿で。







まさかそんな思考を持つ日が来るとは思わなかった。

その考えに不快感を感じるかと思ったが、そうでもない。






ただ、慣れない感覚に、少しだけ戸惑っていた。


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