• テキストサイズ

【刀剣乱舞】夢の如く華と舞え

第6章 其の六


審神者部屋の前に着いた長谷部は、襖の外から桜華に声を掛ける。

「主、長谷部でございます。よろしいでしょうか?」

中に入ることを許された長谷部はそっと襖を開け、桜華を確認した。
書机に頬杖をついたまま、目の前の何かを覗き込んでいる姿を不思議そうに眺めていれば、それはノートパソコンという現代の機械だと桜華が教える。
一般的な知識に疎いと言えど、やはり現代の物に関しては彼女の方が知識はあるのだと知らされる。
審神者部屋についての説明を一通りした桜華は、大きく伸びをしたかと思うと長谷部に茶を淹れて茶菓子まで用意してくれた。

「すみません、俺がやるべきことでした」
「いえ、長谷部様にそんなことはさせられませんよ」

この審神者は自分達刀剣の事を目上の者と思っているようだ。確かに神格からしたら刀剣の付喪神の方が上なのかもしれないが、顕現等の権限を持っているのはあくまでも審神者であり、彼女が居なければ自分たちは人の形を保つことはできない。
そう考えれば、仕えるのは自分たちの方だ。
やはり彼女は何か思い違いをしている節があるのだろう。

「主?あなたは俺たちの事が怖いですか?」

桜華の目の前に座った長谷部はそう切り出した。
桜華はその問いに考え悩む。
そして首を横に振った。

「まだ、会って間もないので難しいかもしれませんが、もっと甘えて良いのですよ」

甘えると言う言葉に反応した桜華は目の前で優しく自分を見つめる藤色の瞳を覗き込んだ。

「俺たちは、主の事を大切に思っています。先ほど、他の刀剣達にも話を聞いてきました。皆、主の事が大好きだそうです」
「皆がそう言っていたのですか?」

恐る恐る尋ねる桜華に長谷部は大きく頷いた。
/ 61ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp