君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第11章 Sp Two stage Butterfly
試合のホイッスルが鳴るとラインの人達はぶつかり合う。
「きぇー!怖い!」
ガタイが良すぎる人たちにはタックルされるのかと思うと物凄く恐ろしかった。
"いいか、てめぇはボールにしがみついてりゃいい。下手に動いてボールを落とされるよりは動かねぇで留まった方がボールが取られねぇしてめぇの身も守られる。"
ボールを取る、ボールを…。
見ろ、あいつ女だぜ。
背ちっさ!あんな奴が役に立てんのかよ。
相手側の応援者が彼女を馬鹿にしている声が聞こえるがその声で落ち込んでいる暇はなかった。
初出場の波音は周りにはきっと助っ人としか思われていないのだろう。マークはされていなかった。
今は泥門が攻撃。QBのヒル魔がどこにボールを飛ばそうか状況の把握をしていた。
ディフェンスは出なくていいとヒル魔が言っていたので見学していたが…見るのとやるのじゃ全然違う。
そんな考え事をしているとボールが波音の方向へと飛んでくる。
どんどん伸びるボールを必死で追いかけた。
痛み止めは飲んだから今の所異常はない。
「へへっ、ちびには取れねぇよ!」
相手のチームが覆いかぶさるようにそのボールを取ろうとする。
栗田もムサシも厳しい表情になっているが、ヒル魔だけは恐ろしいぐらいに口角を上げていた。
「た…タッチダウン!!」