君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第14章 『天才とは努力する凡才のことである』
〜Narrator Side〜
それぞれが過去を話した後、いずみはある言葉を放った。
いずみ「"天才とは努力する凡才のことである"」
ヒル魔「アルバート・アインシュタインか。」
いずみ「あぁ。最初から特別な才能がある人が天才なのではない。普通の人…つまり凡才が人並み外れた努力を積み重ねることで天才と呼ばれるようになる。…君たちも、そうなのだろう?」
いずみはヒル魔はじめ、栗田、ムサシのことを見ていた。
楓は波音の頭を撫でる。
楓「…波音も。ずっと桁違いの努力して頑張ってきたものね。」
波音「お前らだって…それぞれの場所で活躍してんじゃねぇか。」
楓「…私は、絵画展で優秀賞を貰えただけよ。」
波音「すげぇじゃん!」
楓「いいえ…まだ全然。もっともっと上を目指さなきゃならない。それよりもいずみの方が…」
いずみ「…そんなことは無い。まだまだやらなくてはいけない。来たる公演に向けてね。」
栗田「公演?」
いずみ「そう。僕は演劇部なのさ。そして…『劇団にじいろ』に所属していてね、今度1ヶ月程公演で全国回ることになりそうなんだ。」
ムサシ「へぇ〜、そりゃすげぇな。」
いずみ「小規模だけど…血のにじむような努力をしてきたから。嬉しいよ。」
波音「本当に凄げぇよ…見に行くしかねぇな!」
波音は2人の活躍を聞いてとても嬉しそうに、そしてどこか悲しげにしている。
いずみ「時間がある時にでも来ておくれ。でも今は…」
楓「貴方達にとって大事な時期…なんでしょう?」
先程まで状況を話していた者たちが真剣な表情になる。
ヒル魔「…そうだ。油売ってる暇はねぇ」
いずみ「僕達の波音を泥門に行かせたんだ。くれぐれも泣かせないでおくれよ。ぶっ潰せ。金剛阿含を。」
ヒル魔「…ったりめぇだ。ぶっ殺す。」
波音を連れて4人は帰る。
その姿はまさしくスポーツマンという感じだった。
いずみ「頑張っているね。本当。」
楓「…応援しているわ、波音。」