君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第11章 Sp Two stage Butterfly
アメフト練習試合当日。
無名チームとの対戦で助っ人7人呼んだ。
助っ人を集めたのはヒル魔。
勿論、脅迫手帳を使って。
「…っ。」
脚が動かない。
朝起きた時、脚の悲鳴が上がった。
ズキィッ!と痛む膝を抱えて押さえつける。
が、一向に治る気配はない。
今日はアメフトで明日は水泳なのに…。
何故アメフトと水泳の両立をさせたか。
そもそもアメフトと水泳の日程が近くなければどちらかに専念できた。
しかし、1日違いの試合。どちらかに専念出来るわけがなく、両方をなんとか練習してきた。
体の限界を超えた脚は試合当日には動かなくなるという予想はしていなかった。
「どうしても、行かねぇと…!」
痛み止めを飲んで激痛が走る膝を気遣いながら彼女は試合会場へと向かった。
「ご、ごめん!待った?!」
「おっせぇぞ!2分遅刻だ。」
「すまんすまん。いやぁ、お姉ちゃんがめっちゃ心配して引き止めるから時間掛かっちゃった。」
勿論、嘘ではない。
「そんな足でアメフトの試合なんか出ていいの?!」
朝そんなことを言われた。
「大丈夫だよ。」
「水泳の大会も間近なのに無理しちゃダメよ。こんなに腫れてるのに…」
そんな会話を交わした記憶が確かに残っている。
でも、無理しない訳にはいかない。
彼女にもプライドというものがある。
やるのは面倒臭くても、1回やれば最後までやりきるのがこの、波音という女だ。
弱音事を吐いても仕方がない。
そんな状況でも時は進むのだから。