君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第11章 Sp Two stage Butterfly
やれと言われて自分が嫌でもやるからにはあたしも勝ちたい。
それが彼女の本音であり信条である。
でも波音は女である。
男の方が体力があるのは当然。
スポーツやってるからといっても力などは男子には負ける。
だからだろうか、このハードな日々が続き彼女の身体は疲れていった。
栗田「ねぇ、波音ちゃん…大丈夫?」
最近の授業で寝ている彼女の様子を見て栗田は心配そうに声を掛ける。
「…大丈夫じゃなくてもアメフトも水泳も試合前だからね、無理とか言ってられないしね。あ、でもまだまだ大丈夫だよ!」
屋上でご飯を食べながらルールブックの読み込み。
放課後はアメフトの練習。
夜は水泳の練習。
朝はまたアメフトの練習。
アメフトではひたすらパスキャッチ。
2段ジャンプも様になってきて成功率も多くなってきた。
ヒル魔「ケケケ、随分と取れるようになってきたじゃねぇか。」
「…へへ、まぁね。」
鼻を擦りながら彼女は笑みを浮かべる。
だけどその笑みは疲れが見えていた。
栗田「ねぇ波音ちゃん、今日は休んだ方が…」
「は?何言ってんの?あと少しで試合なんだよ?休むなんてありえねぇ。やるってなったからには最後までやるよ。」
自分の頬をパシッと叩いて気合入れ。
ヒル魔は独特の口裂け男みたいな顔で笑っていた。
ヒル魔「Ya-ha!!まだまだパスキャッチやってくぞ!」
「…了解!」
ビュンッと空気抵抗の音を撒き散らしながら波音の方へと向かっていく。
そしてまたボールを取る。
勿論例のジャンプで。
飛んだ時、足に何か違和感が走った。
着地するとチクッと膝が痛んだ。
でもそこまでの激痛では無かったので彼女は何事もなかったかのように練習を続けた。