君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第11章 Sp Two stage Butterfly
軽快な音を立てながらヒル魔はボールを止めた。
「アメフト部に入れねぇのは勿体無ぇ。やっぱり泳いでるからだろうが想像以上だ。」
「アメフトはやらねぇよ…水泳の方で忙しいから。」
そんなことを言ってもやはり彼は無理矢理やらせるようで。
「今は冬だ。プールのシーズンじゃねぇ。自分を鍛えると思って試合も出ろ!」
「マジかよ…はぁ…。」
痛いのは好きじゃないんだけど。
しかも一応、室内プールだから普通に練習あるんだけどなぁ…。
波音は凄く嫌な顔をした。
「ルールとかいまいち分からん。」
「ルールブックぐらい見とけ。マネージャーだろうが。」
「正式なマネージャーじゃねぇし。」
水泳とアメフトの同時並行なんて凄く難しいと思う。
そう思っていたが…現実は難しいどころでは済まされなかった。
毎日クラブ始まるギリギリまでアメフトのレシーバーの練習。
「チビなんだからとにかく高いパス練習するっきゃねぇだろ。」
2段ジャンプが出来るとはいえど常に成功する訳ではなかった。
「糞アマ!今の取れんだろうが!」
「無理!今のはきつい!」
ギャーギャーワーワー。
遠くで練習していた栗田とムサシはその光景を見ていて
栗田「なんか仲良さそうだね!」
ムサシ「そ、そうか…?」
やるからには一生懸命にボールを取る練習をする彼女。
栗田「…レシーバー、上達するといいね。」
ムサシ「…そうだな。」
ムサシは気付いていた。
彼女の体の疲労が相当溜まっているということを。