君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第10章 ☆Bitter+Bitter=Sweet
「…チッ、遅せぇ。」
美水女子の制服を着るか着ないかで10分程度揉めたが、ヒル魔が脅迫手帳のことを切り出すと波音は微妙な表情をしながら制服を持って脱衣所へと足を運んだ。
勿論、脅迫手帳に彼女の事は載っていない。だがそうでもしないと絶対着ないとヒル魔は思ったのだ。
しかし、しばらく待っても波音はやってこない。
面倒くさそうに立ち上がると脱衣所の方へと向かう。
「どうした、糞アマ。何かあ…」
言葉を失った。
「こんなの可愛いわけ無いじゃん…スカートとかやっぱり似合わねぇ…。」
リボンまでしっかりと整えて鏡の前に立っている彼女の姿は想像以上に素敵なものだった。
色味の抑えた赤と青のチェックのスカートに身を包み、白いワイシャツに藍色のジャケット。学年カラーだった青色のリボンを着用していた。
姿は良かった。でもヒル魔は服装以外にも彼女の顔を見ていた。
恥ずかしそうな表情で制服を見ながら彼が喜んでくれるのか不安そうにしている波音。
本当にこういう所で女が出てくるんだよな。
ヒル魔は彼女の背後に忍び込んでは鏡越しに現れてビビらせた。
「ひぇ?!妖ちゃん!?」
「いつまで経っても来ねーから迎えに来てやったぞ。」
ケケケ、と笑いながらお米様抱っこで波音を担ぎ上げる。
「ちょ?!えぇ?!」
多少の抵抗を見せるが彼は動じなかった。
そのまま部屋まで運ばれると乱雑に彼女をベッドへと投げた。