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君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】

第8章 滅私奉公


「え…?」

あの悪魔の声が聞こえた。2人は探したが何処にもいない。

「ここだ、ここ。」

声が聞こえた方へと視線をやると屋根に1人の影。
ケケケ、という独特の笑い。特徴的な金髪の髪型。
屋根からスタッ降りてきたのは間違えなくあのクソ悪魔であった。

「い、い、いつからここにいるのよ!私とこいつの2人だけじゃなかったの?!」

「ケケケ。さぁ、いつからだろうなぁ?」

明らかに動揺を隠せない南とその様子が可笑しくてずっと笑っているヒル魔。そして呆気にとられている波音。

「西園寺南。強い人や人気者を地獄に落とさせるのが大好きな高校一年生かぁ。」

絶えず笑いながらどんどん相手を煽っていく。

「は?!何処からその情報を?デタラメよ!」

「ほぅ?じゃあこれはどう説明する。」

そう言ってある写真を差し出す。

「え?!」

「な、なんで…これが…。」

驚いた。びっくりだ。
あの時誰もいなかったのに。

波音が怪我した時の一部始終が写真に撮られていた。

「これは明らかに誰かに突き落とされた写真ですねぇ?」

「…はっ、残念ですね。誰の顔までかは分から」

「ちゃんとアップもあんぞ。」

差し出された写真の中に狂気に満ちた笑顔で彼女を押した南が写っていた。
流石に南も何も言えなくなる。

「そして…おやこれは何だぁ?右腕を引っ張って肩を脱臼させてる写真もあるぞぉ?」

ケケケ、と彼は笑ったままだ。一体何を考えているのだ。
どういう気持ちなのか。
全く読み取れなかった。

「…これまで、ね。」

威勢の良かった南だったが、言い訳出来ない状況に力が抜けて道路に座り込んだ。
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