君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第7章 泳ぎ舞う蝶
中学3年の時暑い真夏の時期に遡る。
3年間に1度、学校内で水泳の大会があった。
栗田「うわ〜あ!プールだ!」
ムサシ「その巨体じゃ誰にも勝てねぇな。」
栗田「そんな事言わないでよ〜、僕だって泳げるもん!」
栗田を揶揄うムサシは楽しそうであった。
栗田「これも筋トレだと思ってやらないとね。それにしても、この水泳大会ってクラス対抗なんだ…。」
栗田は水泳大会の事項が書いてある紙の裏に見る。
栗田「波音ちゃんが違うクラスなんて…ムサシィ〜!」
ムサシ「お、落ち着け栗田!」
絶望的な顔をする栗田を見てムサシは苦笑する。
男女混合のこの戦いは通常なら男子の方が体力も上で圧倒的に有利である。
でもそれは通常なら、と言う話で。
そもそも麻黄中には水泳部なんて存在しておらず波音の実力を知っている人は殆どいなかった。
この時は番狂わせが起きる事などほぼ全員の人が知らないわけである。
「Ya-ha!!!」
ダダダダダッと銃声の音。
言うまでもなくあいつだった。
ヒル魔「水泳大会、負けたクラスは罰ゲームとして俺のパシリにしてやる。」
栗田「ひええええ、パシリ!嫌だ嫌だ!」
ムサシ「だから落ち着け栗田!迷惑掛けたくないと思うなら出なければいい話だろ!」
栗田「う、うん…そうだよね!僕は見学してるよ!」
あは、あははと苦笑する栗田。
確かに大きな巨体が入ると多分プールの水が無くなってしまうだろう。