君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第7章 泳ぎ舞う蝶
腰の痛みは中々止まらない。
「ねぇ、鎮痛剤ある?」
「そこの棚に救急箱が入ってるだろ。」
指を差した棚の先に置いてある救急箱を見つけて鎮痛剤を取り出す。ついでにお水も用意して薬を飲んだ。
「うぅ、苦い。」
鼻呼吸をしないと味を感じない。でも食べた後、鼻呼吸した途端その味が広がって結局味を感じてしまう。
苦いのが苦手な彼女にとっては薬とかそういうのは嫌いだ。
自分の鞄からポップキャンディを取り出すとベッドに戻り口に含む。
「?!」
口に含んだ棒を取り出して噎せる。
訳がわからなかった。がすぐに分かった。
「ヒル魔、お前!」
「甘いもん食べ過ぎだから勝手にミントに変えてやった。」
悪魔のような顔で満面の笑みを浮かべる。
「ミントは苦いから嫌いって言ったろうが!」
「知るか。こっちはキスする時甘いから嫌なんだよ。」
てめぇの飴はちゃんとある、と彼は言う。
明らかに不機嫌になった彼女。
嫌いとは言いつつも1度口に入れたキャンディは捨てる訳にも行かず、不味そうにしながら舐める。
「それ、舐め終わったら行くぞ。」
「え?」
パソコンを閉じてバスタオルを腰に巻き脱衣所に向かう。
シャワー浴びてくる。と言って消えた。
何処に行くのか波音は分からなかった。