君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第4章 Sp 米軍基地
米軍基地?1000$?
よく分からないけどこの人って凄い人なんだ。
多分普通の人ではないのだろう。
「米軍基地でなにやるの?」
「アメフト。普通の人じゃ見られねぇ。立ち入り禁止…入ったら掴まるからな。」
へぇ…見てみたい。
あたしは何も出来ない普通の人だけどアメフトには興味あるし。
「…あ、やばい。もう行かなきゃ。」
時計を見て既に3時を過ぎていることが分かり急いであたしは向かう。
終礼も出ないままあたしは水泳の練習に向かった。
「あいつ…よく俺に話し掛けられるな。」
彼があたしにちょっぴり興味を持ってくれた事はこの時の自分は知らなかった。
その日からあたしは時々彼の元に行くようになった。
「あの糞デブ、まだ言ってんのか。」
「そう、その子がアメフト部創るんだーって言って部員集めてるらしいよ。ヒル魔はどうしてもやらないの?」
「この間も言った通り金賭けてる方が楽しいからやらねぇよ。」
「ふーん…ヒル魔だったら頭いいからQB出来ると思うけどなぁ。」
「QB…なぁ。」
ヒル魔はどこから持ってきたのか分からない銃を磨いていた。
そのうち鉛筆回しのように銃を回し始めた途端銃声が上がる。
「?!」
あたしは咄嗟に地面に伏せた。
あ、あぶっねー!!
「ちょ、ヒル魔!なんで撃って…」
回しながら撃ち続けている彼。あれ、これもしかして無意識なのか?
ようやくその事に気付いたあたしはタイミングを見計らって回っている銃を止めた。
「ヒル魔!危ない!Stop!」
「…あ?あ〜…悪ぃ、考えてた。」
彼は弾切れになった銃機を鞄にしまう。
「やっぱり俺は入るつもりはねぇ。」
そのまま立ち上がると風船ガムを食べながらスタスタと歩いていった。
折角栗ちゃんが誘ってんのになんでだろう?
出会った頃から彼の考えている事は分からなかった。