君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第1章 26298時間21分後の再会
恐ろしいと言っていいぐらいのある晴れた日の事。
あたしはこの地に戻ってきた。
負け犬。負け組。
そんな言葉が頭を過ぎる。
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憧れの日本選手権水泳競技大会。
本当にバタフライ出場した自分はこれまでの精一杯の気合いと努力をこの試合にかけた。
この勝負に勝てたら世界選手権の日本代表に決まる。
そう思って全力を注いだ。
あたしの取り柄は水泳なんだ。バタフライなんだ。フリーよりもバッタなんだ。…これだけは譲れない!
50mの長水路、最終組の一本勝負。
ターンが苦手なあたしにとっては長水路は短水路よりも得意だった。
誰にも負けない!自分が勝つ!
そう思っていたけどやはり現実は甘く無かった。
1位との差、僅か0.23秒。
負けた事で何もかも自分の力が水の泡となった。
最悪な事態はこれだけではなかった。
──────
その日本選手権で負けた自分は潔く水泳部を辞し、学校も退学した。
負けは負けだ。勝負なんざ甘くは無い。
それに…腕ももう使えない。
これからどうしようかと思っていた時。
「Set!Hut!Hut!」
聞き覚えのある言葉。
(アメフトやってるんだ…。)
アメフトと聞くと、3人のことを思い出す。
「…泥門高校、行ってみようかな。」
そんな気になれたのは3人に未練があったからかもしれない。