君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第2章 100%の努力
戦況は最悪だった。
「やっぱりヒル魔がいないQBに不安を覚えてるみたいだ。練習時のデータよりも平均15%ぐらい力が出せていない。しかも瀧のプレーが皆を振り回してどんどん弱くなっていくな。」
まもり「え、見ただけでそんな事まで分かっちゃうの?!」
感嘆した顔であたしを見つめてくる綺麗なまもりさん。
あぁ、可愛い、綺麗。こんな子と仲良くなれそうな自分は内心飛び跳ねるぐらい嬉しかった。
「推測だから断定は出来ないが、多分そうだと思う。」
ムサシ「こいつ、外面の他人分析は正確過ぎる。数学が出来ないのは嘘だろお前。」
「嘘じゃないもん。現に中学の時の数学のテスト見ただろうが。」
栗田「あぁ、あのテスト!確か…100点満点中じゅ」
ヒル魔「煩せえな。静かにしろ。」
あたしより馬鹿なQBは練習じゃないのにも関わらず、西部ワイルドガンマンズのキッドの投げ方を真似してボールを投げて変な方向に飛ばすという最悪なミスを犯した。
「…自分が言うのはなんだけどよ、あいつ馬鹿すぎねぇか?」
ヒル魔「ケケケ…。」
──────
その後もミスは連発。ついには仲間割れにまで発展してしまった。
「お前がしっかりと最後まで相手を押さないからいけないんだろ?!」
「てめぇがキャッチしてりゃ問題なかったんだよ!」
ギャーギャー、ワーワー。
そこの光景を見て呆れるしかなかった。
そんな中でも彼は風船ガムを噛んで膨らませていた。
一体何を考えてるのだろうか。