君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第2章 100%の努力
???「…関東大会出る資格無いよ。」
荒れた雰囲気の中で聞こえてた言葉。
誰か言ったのかは声ですぐに分かった。
「…小早川、瀬那。」
セナ「みんながこんなにバラバラじゃあ、僕達は関東大会出る資格なんてないよ!」
周りが静かになる。
いつの間にか仲間割れも無くなって皆黙り込んでいた。
十文字「そうだな、俺達。自分達にも非があるのに他人のせいにしていた。」
モン太「こんなんじゃ勝てるわけないよな。」
大吉「頑張る!ンゴッ!!」
そう言って1年は互いを平手打ちで殴りあった。
その後の戦況は一気に変わり6-14の泥門デビルバッツが勝利で幕を下ろした。
帰り道、私は思い出のある公園に行き、1人、ブランコに乗って色々な事を思い出していた。
悪魔はこういうことになる事を予測していたのか。
…やっぱり手も足も出ない、無敵な奴だと思う。
そして、戦況を変えた小早川瀬那。
あたしと同じ小さい身体なのにアイシールド21として頑張ってる。
まるで
ー昔の自分を見てるみたい。ー
そんな気持ちになった。
試合後のミーティング。
…試合に出た全員、いい表情してたな。
私もあんな時があったんだなと思うと少し胸が苦しくなる。
…また悲しくなってくるからこれ以上考えるのは辞めよう。
零れた涙を拭って両手で頬を上げ口角をあげるとゆっくりと離す。
その様子が見られていたなんてこの時は知る由もなかった。