君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第2章 100%の努力
私は悪魔程、強いメンタルなんて持ってない。
寧ろ栗羊羹よりも弱いメンタルだと思う。
その事が女子校に行って凄く痛感した。
「力、出し切ったんだろ?」
「…うん。」
「…なら、それがお前の実力だ。それ以上俺が言う事はねぇ。…お前が試合に負けるのは少し予想外だったけどな。」
そう、これが実力。あたしの最大限の力。
「やっぱり、悔しいんだよ…こんな中途半端な自分が。こうやって逃げる自分は情けない…でもどうしようもない…全て終わったから…。」
あの時、と一緒。私は手を握り締め、下を向く。
やばい…涙が出る。眼鏡が汚れる…。
「こっちが大事な時にてめぇがそんな弱音吐いてんじゃねぇ!気が滅入るじゃねぇか!」
溢れないように堪えた。泣いても意味が無い。
泣いても…彼は何もしないってことぐらい分かってたから。
「わかってる、もん…すまない。もう帰るわ。」
隣にいるのも辛かった。これからアメフトの関東大会なのに自分が負けたからってこんな弱音を吐露するのは可笑しい。
泥門高校に入り新しく買った鞄を持つ。
「…チッ、お前はやっぱ、めんどくせぇな。」
鞄を持った手を掴んで置かせると悪魔は面倒くさそうにあたしの頭を勢い良く自分の胸板押し付ける。