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君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】

第2章 100%の努力


「葉柱のいなくなった賊学をてめぇはどう分析する?」

「…葉柱が引退した今が試練時ってところか。あいつがいる、いないで随分と戦力が変わるからな、苦しくてグレるか、喧嘩するか、はたまた乱闘騒ぎか…それとも辛くても我慢して最後の1秒まで諦めないか…その意識によって勝率は変わる。諦めれば…やっぱり勝てねぇだろうな。夢を強く持って欲しいな。」

やっぱり夢を持つのは大事だよね。
夢…か。私も少し前までは持ってたっけ。

「…俺と同じ事思っていやがる。50点ってところだな。」

「あとの50点は何?」

「俺の考えてる事と被りすぎだ。」

「それ以上言うことがない。被っていても仕方が無いだろ。」

「ま、それもそうだ。…んじゃ、明日の賊学戦中の分析、よろしく頼むぞ。」

「…。」

「なんだ?なんか不満あっか?」

此奴は自分が戻ってきても何も思ってないのかな。
別れる時は珍しく酷い顔をしてたのに。

「…何も言わないのか?」

「あ?」

「…あたしがいきなり戻って来たのに何も聞かないし…まぁ、これから関東大会だしね、こうなることぐらい分かってたけど。」

「…」

「ちょっと、悲しい…かな、なんて。」

本音が漏れる。なんでだろう。分からなかった。
でも…こいつといると弱音が自然と出てしまう。

「…てめぇの試合、見てたぞ。」

「…え。」

予想外の言葉に思わず絶句する。

「日本選手権で2位になって全てを終わったって考えた鏡は慰めてくれる奴が欲しくて学校辞めて俺達がいるここに来たんだろ?」

「…。」

「慰めて欲しいのか?よちよちって。」

「…違う。」

「じゃあなんだ?頑張ったなって褒めて欲しいのか?」

「違う。」

「…じゃあ、なんで逃げた。」

「…そんなの、お前に関係無いだろ。」

図星だった。本当は違くない。慰めて欲しい、褒めて欲しい。

でもそんな事言ったら怖い妖怪はおぼろ豆腐のメンタル力をさらにズタズタにするだろう。

右腕が使えたなら私だって勝てたのに───
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