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君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】

第14章 『天才とは努力する凡才のことである』


一方で…阿含くんはやはり印象からして最悪だよね。
とにかく阿含くんは雰囲気からして話し掛けづらいし、不良としての素質というか…既にそんな感じだった。
雲水くんとは正反対さ。

「なぁ、波音、最近遊んでくんないじゃん。」

「お前と付き合ってる暇無いから。」

「カスが言うようになっちゃってさぁ。クソ腹立つわ。」

「あたしはいずみと#NAME9と遊ぶの。」

「へぇ、じゃあ俺も混ぜてよ。かわい子ちゃんと遊びたいし。」

「来るな。あたしはこの子達だけで遊びたいんだ。」

「…っそ。ゴミカスがよぉ。」

その時は話したことは無い。
これは僕が聞いた波音との会話。

背筋が自然と震えて筋肉が強ばるような…恐ろしさが彼にはあった。

しかし、同じクラスだと嫌でも月日が経つと怖いやつも怖くなくなるものだ。

それは5年生の時、運動会…リレーがあったんだ。

波音と楓とは別のクラスでね。阿含くんと一緒のクラスだった。

クラス対抗全員リレー。

「阿含くんも練習してくれないかな?」

「はぁ〜?なんで俺がこんな事しなきゃいけねぇの?」

「…どんなに君が足が速かろうが、慢心しようが構わないさ。ただ、練習をしないと君には限界が訪れる。」

「説教たれてんじゃねぇよ、男装カス。」

「どうとでも言いたまえ。僕は痛くも痒くもない。」

「あ゛〜?」

僕に拳を振り上げる彼。それでも僕は動じない。

「暴力で解決するなら振るえばいい。僕は馬鹿げていると思うがね。」

「…チッ、あ゛〜…キモ。まじで吐き気するわ。帰る。こんなカスとやってられねーわ。」

やつは言っていた。

カス?誰のことを言っているんだい?
百歩譲って僕はカスでもいい。しかし…君だってカスじゃないか。

自分の事はカスじゃないというなら、どんだけ愚かなんだろうね?

確かに、当日は結局阿含くんのお陰でリレーは1位だった。

しかし、みんなが練習しないリレーでの1位なんて取りたくはなかったよ、僕は。

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