君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第14章 『天才とは努力する凡才のことである』
僕達はそれからとても仲良くなった。
図工の時間、楓が凄い絵を仕上げてたんだけど、その中には僕と波音も描かれててキャーキャー言ってたっけね。
波音は初めての水泳の授業から才能を発揮してさ、ぐんぐん上達してタイムが伸びるんだもん。楓と呆然としたよ。
波音は最初は本当に傷だらけで毎回のように学校でも放課後でも喧嘩はしていた。でも水泳を初めてからストレス発散の方向が水泳になったから、非行が格段に減少して良くなった。
だからますます僕達は仲良くなった。
そして僕は、関わっていくうちに奴らに会った。
「あ゛〜まじだりぃ〜。雲子ちゃん、俺帰るわ。」
「おい!お前!」
同じ顔が2つ。違うので言うと弟が地黒というのと、あとは髪型ぐらいか。
そう、君たちご存知の金剛兄弟さ。
雲水くんの方は普通に優しい男の子。
授業で使う重い本を教室に持っていこうとしたら、雲水くんが来たんだ。
「…持ってやる。」
「え、いいのかい…?」
「もちろんだ。」
彼奴は…モテる。僕は確信したね。