君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第14章 『天才とは努力する凡才のことである』
〜Narrator Side〜
美水女子時代の小話に花を咲かせる3人は普通の女子高生と何ら変わらなかった。
一通りの話を聞いたムサシは波音に言う。
「…決して学校が嫌だった訳じゃないんだな。」
「当たり前だ…確かにあたしは女子校に馴染めなかったと思う。でもあたしが嫌いだったのは水泳部の人間関係だ。」
「辛かったね。」
城ヶ崎は波音の頭を優しく撫でる。
波音の様子はとっても幸せそうだった。
まるで恋人のように見えた。
(…不快だ。)
「…で、てめぇらは阿含のことを知ってんのか?」
睨みつけるかのように3人に睨みつける。
楽しい歓談の中、聞きたくない名前。
波音は固まる。
2人は顔を見合わせる。
「目的はそっちだったか。なら小学校の話をしないといけないね。」
やはりいずみは笑っていた。
それはまるでヒル魔を挑発しているようだった。
「…言っとくけど、僕は彼を軽蔑しているよ。」