君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第14章 『天才とは努力する凡才のことである』
高校1年生。
私達は3年ぶりに同じクラスになったの。
それぞれ別の中学校で会わないと思っていたから驚いた。
それからはとにかく日々があっという間だった。
体育祭はメガホンをデコってお揃いにし、写メったわね。
水女祭…文化祭は、上演で白雪姫をやったわ。いずみの完璧な王子役と下手くそな波音の森の木役。面白かったわ。
楓の背景もすっごい上手だったよね。
…いずみ、余計なこと喋らないで。
波音は水泳を相変わらず頑張っていて、感情のコントロールも上手く出来るようになっていた。
小学校の時に人を殴ったりしていたのが信じられない。
部活も精力的。
彼女は勿論水泳、いずみは演劇、私は美術。
それぞれ違う方向だったけど、上手くやっていたわ。
1年の時は楽しかったわよ。
波音の右腕が骨折してて選手権大会自体は出られなかったけど、水泳自体は無理なく出来ていたようだし。記録会には応援しに行ったわ。
その時、いずみがとてつもない大声出して応援して、周りを圧倒させたっけ。
ああ、そうだったね。僕は波音が骨折のせいで選手権大会に出られなくて悔しがってたのを知っているから、記録会で無事に泳ぎきって欲しいと思っていたからね。
…一度会場がシーンとなったこともあったわ。
でも恥ずかしいとは思ったことは無いよ。
波音も嬉しいと思ってくれてるよね?
「嬉しいに決まってんだろ。」
ふふふ、僕も嬉しいよ。