君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第13章 双子
そうして自然と小学生になった。
親がわざわざ海外から戻ってきて入学式を見に来てくれた時の事。
「いや、マジ?」
入学式、あたしの第一声。
同じ学校だとしてもクラス別だったらまだ分かる。
なんで同じクラスに知ってる双子ちゃんがいるんでしょうか?
阿含「ククッ、テメー、この学校だったのかぁ。こりゃあ面白いぜ。」
雲水「このクラスの先生苦労するだろうな…。」
雲水とは隣の席。阿含とは2席分離れていて1番後ろ端の窓側。
端ってなんか1番落ち着く。
母「明日からアメリカに行っちゃうけど、もう小学生なんだし、色々と頑張ってよ?」
学活終了後、校門前で記念写真を撮った。
両親と姉と自分。
湊「大丈夫!私がいるから!」
自分の拳で胸を叩いて自信に満ち溢れた顔をするのは小学六年生になったばかりの湊。
あたし達はまだ幼くて、仕事でいない間は家政婦さんを雇って生活していた。
…まぁ、そんな事はどうでもいいのだが。
金剛兄弟と一緒のクラスとなって学校生活を送るようになってから気付いたことがある。
「ねぇ、雲水。ここの算数、教えてくれない?」
雲水「え…ここか。…俺もよく分かってないからな…。」
阿含「ったく、こんな問題も解けねぇとかバカじゃねぇ?こうやるんだよ。」
雲水と2人で応用問題に取り組んでいると割り込んできたのは阿含。
そしてその問題の答えをスラスラと解いちゃうのだ。
それだけじゃない。
運動会でのリレーの時。
雲水はそこまで速くなかったが阿含はみるみるうちに敵を引き離していくのだ。
阿含コールが止まず、弟は満足だったかもしれないが、兄は相当堪えただろう。
天才と凡人。
その言葉を象徴する代表的な2人だった。