君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第13章 双子
数日後、あたしはあの公園に足を運んだ。
幼稚園には居場所が無く、とにかくつまらなかった。
特段、その日は喧嘩とかふっかけられなかったし、自分も喧嘩をふきかける程、機嫌は悪くなかったから普通に大人しくしていた。
あたしはブランコに座りゆっくりと漕ぎ始める。
ブランコは楽しい。
大空へ飛んでいく気がするから。
ある程度漕いで高くなった頃、遠くからあたしを呼んでいる声が聞こえてくる。
漕ぐのをやめて目を瞑りその声が聞こえる方へと耳を傾ける。
…下から?
「テメー!無視してんじゃねぇ!」
「阿含、早まるな。無視をしていた訳では無いと思うぞ。」
「金剛阿含…。」
振幅が小さくなり、やがてブランコが止まるとストン、と地面に降りた。
隣の坊主は誰?めっちゃ阿含にそっくりだけど…。
話を聞くと阿含があたしを脅したお詫びで来たらしい。
金剛雲水。双子の兄。
「阿含の…兄?!一人っ子だと思ったぁ…。」
驚きを隠せなかったが、なんか面白かった。
この頃から女癖が付いていたらしく可愛い子、綺麗な子を見つけると口説いていたらしい。
だからこの時の子供はマセてるよね…。
…と言うよりかはこいつが可笑しいんだと思う。
それから2人と会う機会が増えていった。