君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第13章 双子
「…は?」
何いきなり話が顔の事に変わってんの?
「俺、ブスは嫌いだけど可愛い子は好きなんだよねぇ。」
「あたしはその年齢で口説こうとする男は嫌い。」
手厳しいねぇ、と彼は呟くと、瞬く間にジャングルジムの頂上へ行き腰を掛ける。
「俺と遊ぼうぜ、お嬢ちゃん。」
「嫌だ。誰があんたと遊ぶか。」
言い放って背を向けて帰ろうとした。
…けどなんで目の先に奴がいるんだ?
確かにあたしはあいつから背を向けたんだ。
なのにその視線の先に阿含がいた。
どういう事??
何が起こったのか分からなくて頭が混乱してくる。
自然と顔が引き攣ったあたしに阿含はニッコリと笑いながらあたしの肩を掴む。
「なぁ?遊んだ方が身のためだよ?」
肩を掴んだ阿含の手は想像以上に強過ぎる力だった。
まるで…俺の方が強いと力を示しているみたい。
これは幼稚園児の力じゃない…。
それでもあたしは
「嫌だ。絶対遊ばない。」
と睨み付けて、強い力が篭った手を全力で払い、急いでここから逃げ出した。
こいつとやり合ったら…自分が死ぬ。