君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第13章 双子
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「…何見てんだよ。」
出会った日は雨が降っていた。
幼稚園生だった頃の私も中々荒れていて手が付けられない園児として先生からは見離され、友達なんていなかった。
物心がついた時から親は外交官として働いてたようだったから、愛が足りなかったのかもしれないって思った事がある。
むしゃくしゃして…イライラして…暴れたい。
そんな衝動がきっとあったんだろう。
上級生相手に殴りかかったり、売られた喧嘩は買っていた。
この時も小学生数人を相手に喧嘩をふっかけてやり合っていた。
喧嘩は負けたことがあまり無かったので今となっては不思議である。
事後、帰ろうと公園を後にしようとすると誰かに見られている気がした。
視線が感じる方へと身体を向けると金髪の髪が特徴的な男の子がその様子を見ていた。
「楽しそうなことしちゃってよぉ〜。」
金剛阿含との出会いは最悪だった。
「別に…楽しくないから。」
「いやいや、殴るのって楽しいだろ?だからテメーも喧嘩してんじゃねぇの?」
「…違う。憂さ晴らし。」
素直になれよ、ってククッと笑いながら言っていたが初対面の人にあたしの何が分かるんだよって思った。
「ってかテメー、悪くねぇ顔してんなぁ。」