第1章 再会
呆然と2人の会話を聞くクラスメイト達。次元が違い過ぎてついていけないのだ。いきなり転入生(美少女)と田中が話しているのだ。あの田中と。ついていけなくて当然だ。
「ぐっ…。そーいえばおじさんとおばさんは?まさか1人で日本に帰ってきた訳じゃ…」
「ん?1人だよ?2人ともまだやることがあるーって、そーまだけ日本に帰らせたよ。勉強が心配なんだって。」
「相変わらず忙しいんだな…………つーかよ、そーまお前……何か…か、変わったよな…」
少し照れくさそうにモジモジする田中。
「そぉ?ちょっと背ぇ高くなったぐらいでそれ以外変わったとこなんてないと思うんだけどなぁ…」
本人は気付いていないが、明らかにスタイルが変わっているのだ。特に胸が。
小学校6年生の頃、背は低すぎす高すぎず丁度いいサイズ感で、髪は肩にかからない短さだった。性格は今と変わらないが、まだ常識を知らない純粋なわんぱくっ子という一面を持ち合わせていた。背と髪が伸びボンキュッボンになり、より女性らしくなった。
…3年と半年で人ってこんなにも変わるのか。
女体って神秘的で、素晴らしいな。
「え?田中と錦川さんって幼なじみなの?それとも、遠距離恋愛してたの?」
女子生徒の1人が問いかける。
「そそそそんなわけねぇーだろっ!ぉおさっ、幼なじみだ!!!」
霜眞がより女性らしくなったことと遠距離恋愛という言葉に反応し、顔を真っ赤にして叫ぶ。
「保育園からの幼なじみだよ〜♪」
女子生徒に向かってにっこりと笑い、あっさり答える霜眞。あまりにもあっさりと答えられたので田中は地味にショックをうけていた。
「そろそろ授業始まるんじゃないかな?席ついたほうがいいよね♪」
笑顔のまま、まとめるように告げ、皆我に帰ったように席につき始めたが田中だけはショックで立ち尽くし、教科担任に怒られた。