第2章 最終兵器 ⚠
「えっ……ち…?」
「おぅ…」
「んン?なんで??」
「ばっ…そのっ……」
やめろ…そんな曇りなき眼で俺を見つめるな…!
でも、マジで分かってないんだろうな…そーまは純粋にコミュニケーションの1つとして心を許している俺にハグするのであって下心があってする行為じゃない。
「…子供の頃より成長したそーまの胸が当たって反応しちまうんだ」
「……」
「気付いてないかもしれんが、霜眞。お前の胸は平均より一回り大きい…と思う。だが勘違いしないで欲しい。俺はただ胸に反応してるんじゃなく、『霜眞の』胸に反応して興奮してるんだ」
「………」
「ただでさえ可愛くてイイ匂いなのにそのマシュマロボディを密着させてみろ…俺は耐えきれずそーまを襲っちまうかもしれない…」
「…そっ……か」
霜眞は抱きついてた腕を離し、ほんの少しだけ距離を置く。両手で祈るように口を覆い、乱れた呼吸を正そうと深く息を吸った。
「そーま…?」
顔を覗くと、目は潤み耳まで紅潮していた。
「ごめっ…いま、見ないで……恥ずかしい…」
「やっぱデリカシーなかったよなスマン!!」
「違うの!!そうじゃなくてっ…そうじゃないの……」
あたふたしている田中の服の裾を指先で握り、深呼吸してから口を開く。
「りゅーちゃんが……わたしを、その…女の子として意識してくれてることが嬉しくて…」
「…へ?」
「正直に全部言ってくれたのもすっごく嬉しい…むしろこれからも遠慮なく言ってほしい…。でも、りゅーちゃんも我慢してたの…わたし、気付けなくてごめんなさい…」
「我慢…ってほどじゃあないけど、わかってくれてなにより…」
「うん…」
しばらく沈黙が続く。人通りが少ない道の為、一層静けさが際立つ。名案が浮かんだのか俯いていた霜眞がバッと顔を上げる。
「はっ、ねぇりゅーちゃん!」
「なんでしょう!?」
「ぎゅーした時りゅーちゃんがドキドキしちゃうのって昔あった?」
「ん?いやぁ…ないな」
初めはビックリした記憶はあるが、慣れて日常の一部…習慣となっていたと思う。
「ってことはぎゅーすること自体は慣れてるよね?」
「まぁな?」
「でも私が成長した身体だから意識しちゃうんだよね?」
「そうだ」
「なら今からいっぱいぎゅーして慣れればいいんだよ!!!」