第2章 最終兵器 ⚠
――――霜眞宅、風呂場
ポンッと入浴剤を浴槽に入れると泡立ちながら溶けていく。青白く濁ったお湯に手を入れ温度を確かめ、ゆっくりと身体を沈める。徐々に体温が上がり汗が滲む。霜眞はふと秘部に指を沿わせた。
「…さっきちゃんと流したのに」
湯船の中でも濡れているのがわかるほど濃密な液を指で掬う。
試しに中指を挿入してみる。
つぷっ
わ、こんな簡単に入るんだ…痛くない……すっごい濡れてる。
第2関節を軽く曲げてみるが、気持ちいいとは思えずただただ中を触れている感覚だった。角度を変えたり触り方を変える。
…動画の女性は気持ちよさそうにしてたのに…わたしがおかしいのかな…?
霜眞はこう言っているが、おかしくない。ただ田中を喜ばせようと男性向けの動画で勉強していたのが足枷となり、上手くコツを掴めずにいる。
霜眞は諦めて湯船を後にし、もこもこに泡立てたボディーソープをやさしく塗布した。きめ細かい泡を満遍なく伸ばしてシャワーで洗い流す。シャワーのホースが胸に当たりふいに今日の出来事を思い出す。
「んっ…!」
おなかの下がジンッ…てした……りゅーちゃんがわたしのおっぱい触った時と同じ不思議な感覚…。
脱衣所で髪の毛を丁寧に乾かながらブラッシング、そしてトリートメントを少し付ける。
パジャマに着替えて洗濯機のタイマーを押した。ダスターを持ってリビングのテーブルを拭こうとすると何かが目の端に入った。小さな正方形の袋だ。田中が忘れていったお菓子かと思い手に取ると何個か連なっているようで改めてまじまじと目する。
「っ!」
動転した拍子に手放してしまった。小さなお菓子と思っていたそれは避妊具で、田中にその気があったと主張しているようなものだ。耳元で鐘が鳴っているかと錯覚するほど心臓の音が聞こえる。
「はぁっ、はぁっ!」
いずれそのような雰囲気になることは覚悟していたが、こんなにも早く直面するとは予想外だった。