第3章 俺の部活動。
瀬呂の頭には聞いたことのない言葉が滝のように流れ込んできていた。
カメラの持ち方、露出の合わせ方に、ホワイトバランスや構図。
特に露出は、絞り、シャッタースピード、それからISO感度全てを総合的に見なければならない。
しかし、そんな中に瀬呂は楽しみを見出していた。
「望月、次は?」
「私から教えることはおしまいよ。どう?…カメラは楽しい?」
「あぁ。なんか自然とな!腕は痛いけど。」
カメラを綺麗に抱えながら自慢げに話す瀬呂を見て、律はお腹のあたりがさわさわするのを感じた。
「…知らなかったわ。」
「へ?」
「自分の大好きな世界に興味を持ってもらうことが、こんなにも嬉しいことだなんて。」
お腹のあたりを擦りながら、赤い頬を見せる律に瀬呂もなんだか嬉しくなる。
「じゃあ瀬呂くん。最後の課題よ。」
「え?」
「自分の撮りたいものを撮って私に見せて。」