第3章 俺の部活動。
瀬呂はあたりを見渡した。
ジャングルジム
すべり台
鉄棒
砂場
ベンチ
葉桜
そして、律。
律の出した課題は思っていたより難題で、瀬呂はうむと頭を抱えた。
そしてふっと考える。
そういえば望月は、どうしてカメラを始めたんだ?
どうして好きになったんだろう。
そういう個性だから?
カメラに向いた個性?
いやきっと、望月にそう聞けば、彼女は凛とこう答えるだろう。
『どうして個性をきくの?個性なんて関係ないわ。私は私の好きなことをやるだけよ。』
瀬呂はそんなことを想像して、ふっと笑みをこぼした。
カメラを構え、ファインダーをのぞき込む。
9つに分けられた世界の真ん中に、瀬呂は“撮りたいもの”を流し込んで露出を合わせてピントを合わせ、構図を考えてシャッターを下ろす。
パシャリ
乾いた心地の良い音が響く。
瀬呂はカメラから目を外し、それからニッと笑った。
「撮れた。」