第3章 俺の部活動。
「あ、いや…わるい…。地雷…か。」
瀬呂は萎縮して律を横目でみると、彼女は涼やかな顔のまま静かな声でスラスラと話し出す。
「いや、彼女ら、彼らが地雷な訳では無いわ。誰が撮っても素敵な写真は素敵だし、素敵な写真を見れたら私もとても嬉しい。でも……」
でも、と溜めて律は吐き出すように言葉を連ねた。
「写真を撮っている自分が可愛いだけの人は生理的に合わないとは思うの。写真やカメラはアクセサリーではないわ。こんな考え古風で頑固かもしれないけれど……」
冷たい表情のまま続ける律を宥めるように瀬呂は口をはさむ。
「ま、まぁ、そうかもなぁ。確かにちょっと嫌な気持ちにはなるかも……」
「言葉を選ばず言ってしまえば…反吐が出る!…って感じね。」
静かな表情から出た彼女の鮮烈な言葉に、瀬呂はカチンと固まり目を見開く。
こんな言葉が出るなんて…!!
絶句。
「皆自己主張が強すぎて、写真から見える自分にしか見てないのよ。もっと写真を見て欲しいの。」
涼やかながら、どこかにカメラへの熱い情熱を持った目に、瀬呂はこの間のものとはまた違う胸の高鳴りをどこかで感じた。