第2章 私の人間関係。
「すごい心配されたぞ。」
次の日。
瀬呂は彼女に文句を言いに、公園へ出向いていた。
「なにがかしら?」
「ドュクシだよ。」
その日、瀬呂は試してみたのだ。
本当に男子高校生にドュクシが響くのか。
暇だったから、本当にただなんとなく。
『おい上鳴上鳴。』
『お?なんだよ。』
『ドュクシ』
『……』
『おら、ドュクシ』
『やべぇ!!みんな!!瀬呂ぶっ壊れたぞ!!!集まれ!!』
『なに!?本当か瀬呂くん!』
『マジか!!』
『なんだなんだ!』
なんだお前ら、団結力ピクミ〇か。
上鳴がオリ〇ーなんか。
という具合にみな集まり、ひと騒ぎ起きてしまったのだ。
ちょっとの好奇心だけでも、やるんじゃなかった。
と瀬呂はめちゃくちゃ後悔していたのだ。
頭を抱える瀬呂に、律はいつものように淡々と言葉を返す。
「うちの高校がとてつもなく阿呆ということで決着がついたってことね。」
「あほうだよ…。なんでそれ流行るんだよ…。」
「でも、そうやってすぐドュクシを披露できる仲間がいるって言うのは…すごいことだと思うわ。」
彼女はまた悲しげな顔をした。
そしてカラスがカーと鳴く。
瀬呂は抱えた頭を持ち上げてその顔を覗き、それから口を開いた。