第5章 知り得ぬ色が在るとしたなら
「ナミ、大丈夫か?」
「xxxx…!こんな奴らやっちゃってよ!ルフィたちじゃなくてあなたなら」
「やめろ、xxxx」
地に這いつくばったままの麦わらが、xxxxを制す。
上半身を僅かに起こし、頬を伝う血がぽたぽたと地面に染みを作っていたが、その語気は力強かった。
xxxxが大人しく腕を放すと、男は酷く痛そうに腕を抱える。
その様子を仲間は笑い、冗談として処理された。
「そうだ、やめておけ舞台女優さんよ。少しばかり腕に自信があるからって出しゃばっちゃいけねェ」
「お前のキレーな顔に傷を付けたくはないんだ。さっきも言ったが、その女と一緒に俺たちのとこに来いよ!」
ベラミーとサーキースが挑発すると、xxxxが微笑んで返す。
「悪いが、私は弱い男はきらいだ」
付け加えるとしたら自分よりも弱い男は、だろうか。
xxxxの本心に違いねェ。
だが、先の件で彼女の力量もわからねェ部下たちは、当然冗談としか捉えていなかった。
「ハハハッ威勢がいいな!!なぁベラミー!!」
「あぁ、お前のような気の強い女を屈服させるのは快感だ!」
「それも極上の美女だ!たまんねェな!」
「お前は特別に俺の女にしてやる!!毎晩たっぷり可愛がってやるよ!!」
クズが、ふざけたことをぬかしやがる。
てめぇら程度のチンピラなど、逆立ちしたって釣り合わねェ。
「来い!俺のものになれ!」
そう言い放ちながらベラミーがxxxxに伸ばした手を、いつの間に起き上がったのか、麦わらが掴んだ。