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短編集【ONE PIECE】

第5章 知り得ぬ色が在るとしたなら


「xxxxは俺のものだ。触るんじゃねェ」


凄まじい圧を放ちながら、麦わらはベラミーの腕を握り締めている。
一気に空気が張り詰め、麦わらの放つ気がビリビリと振動となって伝わる。
誰もがその気迫に圧倒され、声を失っていた。


俺が見逃さなかったのは、この時の麦わらの凄みではない。
xxxxだ。


僅かではあるが、先ほど勇ましく啖呵を切っていた女の頬は紅潮し、美しい瞳をいっそう輝かせ、麦わらから目を逸らせずにいる。


俺はなぜか、それが非常に気に入らないと思っていた。


*


その後、俺は八つ当たりするようにベラミーたちを制裁した。
ここまでイライラしたのは、奴が俺のシンボルに泥を塗ったことだけが原因じゃねェ。


麦わらの言葉は、単に仲間を思って発したものと考えてもおかしくなかった。
現に、仲間の剣士と女は特に何の反応も示さずにいた。
意識していなければ、麦わらのあの言葉にあんな反応したりしねェ。

「麦わらと…xxxxか…フッフッッフ!面白ェ」

欲しいと思ったのなら力づくで手に入れる。
今誰のものであっても関係ねェ。


お前の本当の色は何色だ?
何色にも染まらぬ、瞳のアイスブルーだろうか。
まだ麦わらに見せたことのない色はあるか?
その美しい身体の底に、深い闇色を宿してはいないだろうか。


それを知る機会も、頂上戦争という契機において、早々に訪れることとなるのだった。


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