第4章 移り香と遠き星※
…女を買ってきたばかりのタイミングでxxxxの裸を見るのは、どうやら逆効果だったようだ。
xxxxを重ねて女を抱いたこと、xxxxに薬を口移ししたことがフラッシュバックする。
このまま後先考えず、ぐちゃぐちゃに犯してしまいたい。
澄ました美しい顔を泣き崩させ、はしたない声を漏らす姿が見たい。
不健全な欲望が脳裏に浮かび、慌てて替えの包帯を探していると、大人しくしていたxxxxが口を開いた。
「今日は香水をつけているのか、珍しいな」
鼓動が一瞬、高鳴った。
当然全て洗い流してきたはずなのだが、残っていたのだろうか…買った女の香水の匂いだ。
「…街でついてきたかもしれねェ。気になるか?」
俺はなるべく平静を装って答えた。
「そうか、お前には分からないくらい微量なんだろう。私は視力や聴力、嗅覚といった五感も普通の人間より優れているんだ」
まぁチョッパーには負けるけどな、といつもの調子で話す。
そういうことであれば、女物の香水であることもバレている。
それに言及してこないということは、xxxxは気を使っているのだ。
「お前は見てくれが良いから、そういう香水も悪くないな」
こちらの気も知らないで、気を引くようなフォローに見せた冗談を投げてくる。
どうせバレてしまったのなら、洗いざらい心中を話してしまおうか。
お前が欲しくて、抱けない欲を発散させるために女を買ってきたのだ、と。
そして、そのまま組み敷いて俺のものにしてしまおうか。
気が付くと俺は、両手でxxxxの顔を包むように触れていた。
「…ロー?」
見上げたxxxxにまっすぐに見つめられて、言葉を発せなくなる。
違う、俺が欲しいのはそんな軽薄なものじゃない。
俺が惹かれたのは、この美しい瞳の奥に宿るもの。
何人にも触れられぬ、宝石よりも強く高貴な心だ。
「…顔には、傷が残らなくて良かったな」
「ふふ、もう女優じゃないんだ。別に構わないだろう」
思い留まり手を離すと、何事もなかったかのように傷の手当てを再開した。
うまく誤魔化すことができたかは分からないが、xxxxの様子は普段と変わらない。