第2章 大人になって①
「こいつ完全に寝てやがる」
餅のように爆豪に乗りかかった麗日を剥がそうと、奮闘する爆豪に上鳴がすかさず声をかける。
「おいおい〜お前らやっぱぁそういう関係か〜??」
肘で爆豪を突っつきながらニヤニヤとした笑みを浮かべる。爆豪はアアン??ぶっ飛ばすと叫びながらも、お茶子が寄りかかっている手前爆発を繰り出すのに少しためらっているようだった。
「それにしても、麗日大丈夫か?明日勤務だったらやべえんじゃねえの?」
切島は少し心配そうに覗き込む。
それをナイスパス!と受け取った上鳴が追い打ちをかける
「そうだなぁ…爆豪、お前ちょうどいいし送って行ってやれよ」
「ああ?!なんで俺が!!」
「おおそうだな、俺もそれが安心だよ。なんかあってからじゃオセェしな。爆豪、俺からも頼む!!」
切島は全く上鳴の意図を感じ取ることができず、純粋な気持ちでお願いをしているようだった。
切島的には、爆豪も少し心配ということがあったから、2人で帰ってもらえるのはちょうど良い。爆豪は、そんなにお酒に強くないのだ。二次会に連れまわすと、おそらく潰れてしまうだろう。という考えもあった。
「んだよ…めんどくせえな。…」
なんだかんだいって、承諾してくれそうな流れになってきたな、って思っていたら、思わぬ爆弾が投入されることになる。
「麗日さん?大丈夫??」
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「麗日さん?大丈夫??」
ムカつく声がしやがる、ふと顔を上げるとクソナードが来やがった。
「かっちゃん、麗」
「んだよテメェ、どっかいけや」
言いかけたデクの言葉を遮るが、あいつは何処かに行くどころか目の前の席に座って来やがった。
「僕、方向も一緒だし、どうせなら連れて帰るよ!えっと、かっちゃん家反対だったよね?」
前より、オドオドとはしなくなって来たが、話ぶりはまだ歯切れが悪い。相変わらずうぜえのは変わらない。
何より、デクにこの丸顔あずけんのは腹がたつ。
こいつの気持ち、考えたことあんのかこいつは
こんなんだからクソナードなんだよ。
デクの問いには全く答えずに、質問を投げつける
「お前、いつ結婚すんだ」
この質問に、テーブルについてる切島、上鳴は凍りついた。
「答えろ、デク。」